
日本全国の介護士の皆さま、特定処遇改善手当の支給は受けられましたでしょうか?
きっと、
といった喜びの声もあることでしょう。
しかし、
といった声もあるのではないでしょうか。
ここでは、私の知人たちから聞いた、こんなリアルな声をお届けしましょう。知っておいて損はないですよ。
❷介護業界の経営者マインドを知る
❸『処遇改善交付金』で一番トクするのはダレ?
目次
特定処遇改善手当が介護士(勤続10年以上)を襲った悲劇
❶【chapterⅠ】特定処遇改善手当は確かに介護士に払われた。が・・・
私の知り合いの介護士Aさんの事業所では、今回の『特定処遇改善手当』が夏のボーナス時に支給されるという事でした。
そして、ボーナス支給日、介護士Aさんは驚愕の事実を知る・・・。
色々と予約購入してしまっているAさんは、血の気が引いていくのを感じました。
よくわからないままAさんは、次の出勤日に同僚たちに話を聴いてみることにしました。
❷【chapterⅡ】特定処遇改善手当の介護士への払われ方に「種類がある?」
『処遇改善手当』というものは、決して、国から支給されたものをそのまま介護士に支払うという性格のものではないのですね。
一旦、事業所に入って、そこから事業所のサジ加減で振るいわけられるわけです。
そして、その支払い方法も、月給に上乗せで支払ったり、ボーナス時に支払ったりと色々。
つまり、今回の介護士Aさんの場合は、ボーナス時に支払われたのでした。
しかし、ボーナスに上乗せなら、介護士Aさんが期待していたように、大きな額が振り込まれていたハズですよね?
では、なぜいつもと変わらない額だったのでしょう。
❸【chapterⅢ】特定処遇改善手当はマヤカシだった!?
翌日、出勤した介護士Aさんは、早速仲のいい同僚Bさんに話を聴いてみました。
すると、Bさんは、
予約購入している物の金額でのショックもあり、信頼していた会社からの不当な扱いによるいショックもあり、介護士Aさんは体調不良をきたすまでになってしまったのでした。
以上、実話に基づいて、書いてきました。
介護業界の経営者マインドを知る ~ 『特定処遇改善手当』が介護士を襲った悲劇に学ぶ~
上で紹介したようなことは、介護業界では多く行われていることでしょう。
介護業界が『3K』だと言われるのもうなずけます。
介護業界は、周知の事実ではありますが、
公益事業なのです。
だから、利益を追求できない構造になっています。
つまり、一介護士がいくら頑張っても、給料ってほぼ増えないのです。
本当に共産主義のような実態がそこにはあります。
そして、歴史は共産主義から勤勉な労働者を排除してきました。
だからこそ、今回のような『特定処遇改善手当』なるのものは、
・特定の技能を持つ有能な介護士
・リーダー級の介護士
へ優先的に多く支払うようにと命ぜられています。
つまり、
介護業界に初めて資本主義(能力主義)が導入された?
といっても良いのかとも思います。
しかし、蓋を開けてみると、そこはやはり共産主義なのでした。
上に書いた介護士Aさんのように、
・介護リーダーとして頑張っていても、
・他の介護士からも頼られる技能を持っていても、
結局、事業所へお金が支払われる限り、経営者の思惑どおりになってしまうのです。
そう、経営者は、何よりも、
なのです。
『処遇改善交付金』で一番トクするのはダレ?介護士じゃないの?
❶そもそも『処遇改善交付金』とは何のためのもの?
処遇改善交付金とは、
『介護職員処遇改善交付金』
のことです。
『介護職員処遇改善交付金』の
厚生労働省が発表している基本的な考え方は以下のようなものです(抜粋)。
・介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てることを目的に創設されたものである。
・介護サービス事業者は原則として当該交付金による賃金改善の水準を維持することが求められる。
・介護人材の職場定着の必要性、介護福祉士に期待される役割の増大、介護サービス事業者等による昇給や評価を含む賃金制度の整備・運用状況などを踏まえ、事業者による、昇給と結びついた形でのキャリアアップの仕組みの構築を促すため、更なる加算の拡充を行ったものである。
『処遇改善交付金の基本的な考え方』 厚生労働省 より抜粋して引用
つまり、要は社会問題である、
介護職員の人材不足問題を回避するするために、介護士の定着を図ることが最大の趣旨なのです。
❷『処遇改善交付金』は介護士の定着のために使われている?
『❶特定処遇改善手当が介護士(勤続10年以上)を襲った悲劇とは!?』を読んで頂けたなら、どう思われたでしょうか?
『処遇改善交付金』は介護士の為に使われているのでしょうか?
一応、『処遇改善手当』は職員に支払われています。
別に法に触れているわけではありません。
だから、文句を言ったところで、
と言われて、終わりなのですよね。
法に触れていないという事は、労働基準監督署も関与してくれません。
❸『処遇改善交付金』が介護士にもたらしたものは?結局トクをしたのはダレ?
結局、『❶特定処遇改善手当が介護士(勤続10年以上)を襲った悲劇とは!?』で書いたような事が多くの介護施設で行われているならば、『特定処遇改善交付金』がもたらしたものって何なのでしょう。
☠悲観や絶望
☠退職願望
ではないでしょうか。
処遇改悪交付金になってしまった部分が大きくあるのではないでしょうか。
そもそもの厚労省の趣旨と大きく乖離していますよね。
むしろ、逆行していると言ってもいいと思います。
そして、「事業所の一人勝ち」という構図が浮かび上がってきます。
などと、笑っている経営者も多いことでしょう。
さいごに
『❶特定処遇改善手当が介護士(勤続10年以上)を襲った悲劇とは!?』のような事はきっと多くの事業所で行われていることは察しはつきます。
だから、
「介護職を増やそう!」
などと言った思惑は、コトゴトク失敗することでしょう。
コロナウイルスによる『慰労金』というものが介護職員へも支払われると発表されました。
しかしこの『慰労金』も、『処遇改善交付金』と同じように、「まずは事業所へお金が入ってくる」という流れなのです。
そして、事業所へ入ってきたお金を、事業所のサジ加減で職員へ分配するのです。
この記事で紹介した事業所などでは、どんな事が起こるかお分かりいただけるかと思います。
結局は、日本は既得権益がトクをする構造だということを証明しているだけですね。