
私は介護業界で働くまで、尿路感染症という病名を全く知りませんでした。
たぶん介護に全く縁のない人はそういう人も多いのではないかと思います。
介護現場で働く中で、この病気の診断をされる人を結構見てきました。
厳しい人からは、「きちんと介護してないんじゃないの!?」と突っ込まれる話かもしれませんが、そういうご指摘は一旦横に置いておいて、今回のこのテーマを書いていきますね。
高齢者介護の現場では、それくらいメジャーな病気であります。
目次
尿路感染症とは?
尿路の感染症とは?
「尿路感染症」という病名ですから、「尿路」での「感染症」という事になります。
ではその「尿路」ってどこかよくわかりませんよね。
尿路は以下の図の通りです。
引用元:https://jin-lib.jp/disease/images/urinary_tract_01.jpg
この尿路のどこかで炎症を起こすことを、尿路感染症と言います。
尿路感染症の種類は?
先ほどは「尿路」について説明しましたが、この尿路において、どの部位で炎症が起きているのか?によって、病名も変わってきます。
腎盂腎炎(じんうじんえん)
膀胱炎(ぼうこうえん)
尿道炎(にょうどうえん)
尿路感染症の原因は?
尿路感染は細菌による感染
尿路感染症は、尿道から細菌が侵入してきて、尿路のどこかで炎症を引き起こす為に発症すると言われています。
その細菌のほとんどは、便に混じっている大腸菌だと言われています。
どうやって感染する?
介護現場での経験上、普通にトイレで排泄される方で、尿路感染症と診断される方はほとんどいません。
大腸菌が主な原因菌と言われるだけあって、やはり寝たきりでオムツを着用されている方に多いです。
女性がなりやすい?
尿路感染症は女性がなりやすいという傾向があります。女性は、尿道と肛門の距離も近く、また男性に比べ尿道が短いため、細菌の侵入を許しやすいためだと言われています。
尿路感染症の症状は?
発熱する
だいたい最初に発熱する所から症状が疑われます。特に風邪や肺炎などの症状もないのに発熱されている場合など、尿路感染症が疑われる事が多いです。
膀胱炎では発熱しないとも言われています。
尿の状態の異常がある
尿が濁っていたりします。高齢者は持病や水分摂取が少ない影響もあって、尿の濁りが多い人は本当に多いです。
尿路感染症の際も、白血球が尿に混じって多く排泄されるため、濁っていると言われています。
排尿時の不快感がある
尿路感染症は寝たきりの人がなりやすい傾向にあるので、痛みの有無をはっきりと確認するのは難しいですが、排尿時に痛みがある事も多いようです。
尿路感染症を予防する為の介護方法は?
陰部の清潔保持に注意する
尿路感染症を引き起こす最大の敵は「大腸菌」です。だから、オムツを着用されている人の場合、排便されたら出来る限り早くオムツを交換してあげて、また陰部を洗浄して清潔を保持してあげる事が大切です。
適切な介護で細菌を尿道へ侵入させない
始めて介護現場で働く人はきっと習うと思いますが、特に要介護者が女性の場合、排便の処理は、前から後ろへ拭く事が鉄則です。
後ろから前へ拭いてしまうと、大腸菌の侵入を助長してしまいますからね。
水分を多くとる
細菌を体内から流し出す為には、たくさんの水分をとり、おしっことして細菌を体外へ排泄することが大切です。
高齢になると、勧めてもなかなか水分を多くとってもらえません。だからこそ、清潔保持と細菌を侵入させない事が介護する人にとっては特に重要になってきます。
さいごに
以上、書いてきました通り、尿路感染症を防ぐには、
・細菌を侵入させない介護
が問われます。
つまり、尿路感染症と診断される方が多くいると、介護の怠慢だと言われる事もあります。(もちろん、高齢だから抵抗力が弱いという要因もあるのですよ)
だから尿路感染症という病気を初めて知る方は、きちんと知識を身に付け、排泄ケアを見直していきましょうね。