
介護施設などに勤めるなどしないと、『褥瘡(じょくそう)=床ずれ』なんて間近で見たコトがある人はごくマレでしょう。
でも今後、日本が介護時代を迎えるのあたり、全国民が知っておくべきコトだと思い、簡単に解説していきたいと思います。
この記事では、「褥瘡(じょくそう)=床ずれとはどんな症状であるのか?原因や予防法はあるのか?今後、自分の親が要介護になった時に知っておいたほうがいいことは?
などに付いて触れていきます。
褥瘡(床ずれ)をつくってしまうと本当に最悪です。親の介護を身近に感じている人は、是非参考にしてくださいネ。
この記事で得られる情報
目次
【褥瘡(じょくそう)=床ずれ】とは?
【褥瘡(じょくそう)=床ずれ】とはどんな症状か?
褥瘡とはどんな症状か?を簡単に言うならば、
という事です。
ビックリですよね?想像できませんよね?
「自分の体が腐って穴が開く」
なんて・・・。
でも、あるんです。本当に。私もよく見てきました。ヒドイものになると、見るたびに絶句してしまいます。鳥肌ものです。
ちょっと実際の画像などは、載せられませんが、本当にご本人様には申し訳ないのですが、
としか言い表せません。
人間の体に穴が開いているんですよ・・・。
初めて見た時は、正直私もドン引きしました。
症状の酷い褥瘡を目の当たりにして、
と、気を失う看護師さんの卵たちもいる程です。
【褥瘡(じょくそう)=床ずれ】がよく出来る『好発部位』という部位がある
この体に穴が開くいてしまう「褥瘡=床ずれ」ですが、よく出来る部位というものがあります。
好発部位(こうはつぶい)と言ったりもするのですが、どこに出来やすいかと言うと、
脂肪が薄く、骨と皮とが近い部位に褥瘡が出来やすい!
という事です。
つまり、上向きに寝ている時間が多い場合、以下の部位などによく褥瘡が出来ます。
褥瘡(床ずれ)の出来やすい部位
✅肩(肩甲骨辺り)
✅仙骨部(お尻のちょっと上辺り)
✅かかと
【褥瘡=床ずれ】が出来やすい人がいる?
どこの施設でも、新しく入所される利用者さんを受け入れる際などに、アセスメントをすると思います。
アセスメントとは、簡単に言うと、「評価」のことです。
目の前に人が、どんな人であるか?という情報を細かく調査することです。
その時に既に
褥瘡をにおわすアセスメント情報
✅寝たきり
✅栄養状態悪い
などの状態が読み取れたら、れっきとした褥瘡予備群です。
こういった利用者さんは、あらかじめ褥瘡になりやすい事がわかっているので、対策を打ちます。
褥瘡を予防するベッドマットを使用したり、寝返りの介助の時間の間隔を短めに設定したり、起きる時間と寝る時間を適切に保つ、などと対策を打ちます。
【褥瘡=床ずれ】が出来てしまう【原因】はなにか?
先ほどの褥瘡予備群の方の情報からも読み取れるように、褥瘡は、なりやすい人や、なりやすい条件などがあります。
現在、よく言われている理由として、下記の4つがあります。
褥瘡が出来る原因
②摩擦
③乾燥と湿潤
④低栄養
ここではそれぞれの原因を簡単に見ていきますが、別の記事に「褥瘡の4つの原因」について詳しく書いていますので、よろしければご覧になってくださいネ。
【褥瘡=床ずれ】が出来てしまう【原因】その①| 圧力
人間は、寝ている時に、ある一定の箇所に圧力が加わります。
その一箇所に圧力が加わり続けると、しんどいですよね?
まだ若く五体満足でいれる場合は、無意識的に「寝返り」というものが出来ますよね?
これが、高齢で要介護の方であった場合などは、自由に「寝返り」が出来ないわけです。
そうすると、その一箇所に圧力が加わり続け、血流の巡りがなくなっていき、細胞が壊死していくことになります。つまり皮膚が腐るわけです。
【褥瘡=床ずれ】が出来てしまう【原因】その②| 摩擦
摩擦というのは、文字のとおり、「こすれる」という事です。
ベッドのギャッジアップ(電動や手動で背中側や脚側が上がるベッドの上げる操作する事)をした際、利用者様の体はズレ、その際、特に出っ張っている「仙骨」(←お尻のしっぽの位置の骨)部分がこすれますよね?
高齢で寝たきりの人などは、特に皮膚が弱いです。
こすれる事に対して、本当に弱いです。
私もこの業界に入って、
と驚いた事をよく覚えています。
【褥瘡=床ずれ】が出来てしまう【原因】その③| 乾燥と湿潤
高齢の方の皮膚は、とにかくかなりの乾燥状態です。ただでさえ歳をとると乾燥肌になる傾向になるのに、おまけに水分をあまりとらない人が多いですからね~。余計に乾燥肌を助長するわけです。
衣類などを脱ぐ際は、皮膚の角質などが、パラパラと「こなぁ~ゆきぃ~♪」のように降ってきます(;^ω^)
若い人でもそうですが、冬場になり皮膚が乾燥していると、あちこち荒れてきて、皮膚トラブルを起こしますよね?
そう、乾燥していると、皮膚が弱いんです。
また、逆にお風呂などに長時間入っていると、指先などはフニャフニャとふやけますよね?
長期間、絆創膏などを巻いていた指なども、フニャフニャにふやけ、その時の皮膚って弱いですよね?
要介護の高齢者の特におしりの部分って、その両方が起こるんですね。
皮膚自体は、ただでさえ乾燥して弱いうえに、おしりはオムツを巻いたままで、また中で尿失禁などをするわけですから、そこがふやけて、なおさら弱くなるということです。
【褥瘡=床ずれ】が出来てしまう【原因】その④| 低栄養
栄養状態が悪いと、色々な弊害が起きますよね。
病気が治りにくい、傷が治りにくい、当然のコトですよね。
高齢になり、要介護になってしまうと、
【褥瘡=床ずれ】を防ぐ為の【対策】は何をすればいい?
先に、褥瘡の出来る原因について簡単に見てきました。
褥瘡の出来る原因がはっきりとわかれば、対策って考えつきますよね?
それぞれの褥瘡に繋がる原因については、以下のように対策をとっていく事が良いと思われます。
【褥瘡=床ずれ】を防ぐ為の【対策】その①| 圧力
圧力に関しては、以下のように対策をとる事が望ましく、だいたいどこの介護現場でも取りいれられています。
✅同じ個所に常に負荷がかかっていないかよく観察する。
✅褥瘡予防に適切なベッドのマットの見直しをする。
【褥瘡=床ずれ】を防ぐ為の【対策】その②| 摩擦
摩擦に関しては、以下のような点に配慮します。別に臀部に限らず、体のどこの部位でも注意が必要ですからね。不用意に老人の腕なども握ったりはしない方が良いですよ。
✅ベッドの背もたれを上げる際は、カラダのズレ防止のクッションをお尻に挟むなどする。
✅車椅子に座っている際も、お尻がズレないような対策を考える。
【褥瘡=床ずれ】を防ぐ為の【対策】その③| 乾燥と湿潤
乾燥や湿潤に対する対策は以下の通りです。肌はやはり衛生的に適度な保湿状態に保つ事が重要です。
✅臀部を清潔にした後は、保湿剤などを塗り、保湿に努める。
✅水分もしっかりと摂取する。
【褥瘡=床ずれ】を防ぐ為の【対策】その④| 低栄養
低栄養への対策は以下の通りです。そもそも栄養状態が悪いと適切な介護をしても衰弱していきますからね。
✅アルブミン値などの血液データなどをこまめにチェックする。
✅ご本人の表情に活気があるか、日々の様子の変化に敏感になる。
【褥瘡(じょくそう)=床ずれ】とはどんな症状?|さいごに
介護施設などで介護をしていて、利用者さんに褥瘡が出来てしまったら、ショックですよね。
いくら体の弱いお年寄りだとしても、お尻などに穴が開いてしまうわけですから、開けさせてしまった事を申し訳なく思うわけです。
この記事では、一般的な褥瘡の原因や対策のほんの一例を書いてみました。
介護士は「専門職」として働いている以上、褥瘡をつくってしまっては、「怠慢介護」と言われてしまう事もあります。
しっかりとアセスメントを行い、褥瘡をつくるべくしてつくってしまうような事態だけは絶対に避けましょうね。
私たちは、適切な知識をつけ、より良い介護をしていきましょう☆