【人手不足】が介護業界で常態化する理由はなに?対策はあるの?
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介護業界にお勤めの人はよく身に染みて実感しておられると思いますが、社会問題にもなっているように、介護業界はもう何年も慢性的に人手「大」不足です。

2025年には介護を必要とする高齢者に対し、介護者が38万人も不足するというデータがあります。この2025年問題は何年も前から叫ばれ続けていますが、抜本的な解決策もないままとうとうあと6年に迫ってきました。

この介護者不足の問題は日本の未来を闇に葬るくらいの大問題でありながら、国としてはなかなか大きなメスを入れられないでいます。

 

では、なぜ介護業界って常に人手不足なんでしょう?

 

理由は多々あると思うのですが、この記事では、介護業界に長年身を置いてきてしみじみ感じた事をポイントを絞って書いていきます。

 

「そりゃ、人、来ないわ・・・。」

 

と少しでも感じてもらえたら書いた価値があります。

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【人手不足の理由その①】仕事に見合った給料ではない

なぜ介護業界は給料が少ない!?

この問題は想像力がなくても簡単にわかるのでは?と思います。

なぜかと言うと、私も介護業界を経験するまでは、

 

介護を舐めてましたから・・・

だからこそ後悔しました・・・

 

そう、この業界の給料の安さは、間違いなく介護の仕事に対するイメージによるものに起因する所が大きいのです。

介護業界のお給料の現状は?

あなたも一度は見た事があると思いますが、介護の求人は、都心部にでも行かない限り、だいぶ処遇が改善された今でも、手取り15万円程度なんてザラにあります。

日経平均株価が2万円台を更新し続け、物価も年々肌身に染みるほどに上がってきているこの表面的には安定している日本の経済状況において、いいおっさんが手取り15万円て・・・高校生のアルバイトですか?って話ですよね。

介護の仕事の大変さの本質とは?

では、なぜこの給料が介護の仕事に見合わないのか?

介護業界にお勤めの方には言わずもがなですが、一言で言うと、

人の命を預かる仕事

だからです。

つまり、

失敗が許されない

のです。

詳しくは別の記事で書いていますので、こちらをどうぞ↓

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手不足の理由その②】リフレッシュ休暇が皆無!

お盆、正月、ゴールデンウィークの憂鬱

日々、額に汗して働く社会人にとってお盆休みや正月休みって、

「あ~オレこの半年間頑張ったな~。」

と心身をリラックスさせて、心機一転出来る休暇であり、この休暇があるからこそ、

「次の半年も頑張ろう!」

と思えたりするわけですよね。

数々の介護業界を渡り歩いた私の経験上、このお盆・正月・ゴールデンウィークなどの「休暇」というものは、

介護業界においては皆無に等しいです。

その分、普段の公休が多いのかと言えば、逆です!

暦通りに休日がある企業と比べると、

公休の数も一般の企業より少ないです!

病院勤務の看護師さんなどは、よく時期をずらせて休暇をとられていますが、そういった事も介護業界では見たことがないです。

つまり、リフレッシュすることもなく、延々と働き続けているのが介護業界です。

それでいて「介護は誰にでも出来る仕事」なんてイメージを持たれていると、そりゃ人手集まりませんよね・・・。

有給休暇が消化できない

「リフレッシュ休暇がない」、

「公休も他の企業に比べ少ない」

とワンツーパンチが来て、とどめに、

「有給休暇が消化できない!!」

とアッパーカットかきりもみフックがやってきました!!(;^ω^)

まぁ、ヒドイです・・・。

この業界・・・。

私が過去にいた施設では

 

「有給を使うとボーナスを下げるぞ」

とか

「有給を使いたいなら来月の公休を振り替えて使って」

 

などと、完全ブラックな発言や空気があったりしました。

 

何が言いたいかと言えば、私が勤めていたこれらの施設、社会福祉法人ですよ!?

ここ何回でも言いたいポイントですよね。

社会福祉法人ですよ!

福祉って何なんでしょうね?(;^ω^)

【人手不足の理由その③】介護業界特有?『奉仕精神』の搾取

奉仕精神を利用するのが経営者?

人によっては、「有給なんて労働者の権利なんだから、上がどう言おうがとればいいじゃん!」とかっこいい事を言う人もいるでしょう。

 

でも、労働者の皆が権利を行使すると、どこの誰に影響がいくか?

最終的には経営者ではなく、利用者なんですよね?

 

「責任はトップにあるんだから、やったったらいいじゃん!」と、全く畑違いの業界で働く友人たちに言われても、普通は割り切れないですよね?

もし、介護の仕事をする労働者が決起してストライキでも起こそうもんなら、それで心身の不自由な利用者に被害が出るようなら、あと味悪すぎですよね。

 

たまに、労働者が権利を訴えようもんなら、「利用者がかわいそうだと思わないのかー!?」といった勘違いをされる経営者もいますが。

こういう人は本当にいたいです・・・。

 

ある意味、この業界で働く介護士さんたちは、利用者さんの命を人質にとられている立場なので大きなアクションを取れないんですよね。

理屈じゃなくて人道的に普通は無理です

 

セーフティネットが整備されないままで、介護士が権利を行使すると、以下のような事件に繋がります。

介護士さんの奉仕精神には本当に感謝すべし

介護士さんの人手不足で悩んでいる施設って、ここが本当に薄いんじゃないか?って本当に思います。

 

私も過去何十年と介護や福祉に携わっていますが、利用者さんから嘘でも感謝の言葉を聞いた時は、本当に一瞬で辛さやしんどさ、怒りなどがパッと消えます。

利用者さんは、我々介護士の奉仕精神を感謝という対価で返してくれるんですよね。

 

だから、職場を去る介護士さんって利用者が原因であることってほぼないんです。

虐待をしてしまったような人でも、ほとんどの場合は原因が利用者にあるわけではないと思います。

 

この奉仕精神を搾取する、職員の心に無関心な経営者や上司など、あくまで働く者側の問題が大きいです。

 

表現がよろしくないかもしれませんが、この仕事は、介護士さんの働きに対する対価がダイレクトに帰ってくる仕事なので、さらなる奉仕精神に繋がりやすい特性があります。

だからこそ、その奉仕精神に感謝し、でも自分の体も大事にして無理しないようにと諭す事が出来る経営者や上司のいる職場は人手不足に悩まないのだろうと思います。

さいごに

介護業界が人手不足になる理由は、

①仕事に見合った給料ではない

②リフレッシュ休暇が皆無

③奉仕精神の搾取

と、超顕著な理由3つに絞って解説してきました。

これまでの話を見てくると、

「福祉」ってなに!?

って思いませんでしたか?

少なくとも、現在の介護業界を見た私の目には、

福祉とは、介護職員の犠牲のもとに成立するもの

という側面が強く感じます。

それが現在の日本の福祉社会であるというのならば、日本に明るい未来はなく、今後も介護の人手が潤うことはないでしょうね。

日本は世界発初の超高齢社会で、どういう身の振り方をしていくのか、世界中が見ています。リーダーとしてその背中を見せないといけないわけです。

介護業界にこそ、働き方改革が本当に必要です

 

 

 

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