
あなたがお勤めの会社には労働組合はありますでしょうか?
介護・福祉の業界には、労働組合はない所がほとんどではないですか?もしかしたら労働組合ってなに?って思われる方もいるかもしれません。
私は過去に何か所も介護施設を渡り歩いていましたが、まぁどこも労働組合なるものがない事をいいことに(?)使用者(経営者)の職権乱用が目立っていました。この業界がブラックと言われる所以です。また、もう何年も前から、たとえ自分が働く会社に労働組合がなくても、一人でも加入できる労働組合もありますが、そこまで活用されているわけではないようです。泣き寝入り状態が今も続いています。
この記事では、そんな介護業界にこそ、本当に必要だと思われる労働組合について書いていきます。
目次
労働問題があるから組合をつくるわけではない!?
労働組合の定義とは?
労働組合の定義は以下の通りです。
労働組合とは、労働者の連帯組織であり、誠実な契約交渉の維持・賃上げ・雇用人数の増加・労働環境の向上などの共通目標達成を目的とする集団である。その最も一般的な目的は、「組合員の雇用を維持し改善すること」である。略称は、労組、ユニオン。単に組合と呼ぶこともある
労働組合の定義
ここに書いてある通り、「組合員の雇用を維持し改善すること」が目的なわけなんですよね。だから、本来は、どこの会社にもあるべきだと思われます。
だって、働く人にいてもらわないと、会社が困りますもんね。でも、どちらかというと、会社に対抗するようなイメージが強いから、経営サイドからはあまり良いイメージは持たれないんですよね。
誠実な契約交渉の維持が出来れば・・・
上の「労働組合の定義」の中に「誠実な契約交渉の維持」とあります。
この誠実な契約交渉が維持できれば、そもそも労働問題なんて起きませんよね。
働く側は、「この会社で働かせてもらっている」
雇う側は、「従業員さんに働いてもらっている」
という思いで、お互いが、納得のいくように労働条件を話し合う
そんな職場なら、労働問題はほぼ起きないでしょう。
小さい規模の会社であれば、こういう理想的な関係が築けている会社もあると思います。こんな会社なら労働組合なんて必要ないですよね。でも、どちらかと言うと少数ですよね。
過去に組合がある会社に勤めた事がない労働者は、組合がどういうものか想像もつきませんし、やはり会社と対抗するイメージがあるので、良いイメージばかりではないと思います。
また、会社側も経営サイドが不利になる事がやはり想像されるので、積極的な事は言えないでしょう。
だから、本来は労使共に労働間が起きる前に、労働組合は創る方が賢明と言えます。
労働組合を結成するには?
労働組合を結成する目的をしっかりと共有する
労働組合を結成する目的って何でした?
「組合員の雇用を維持し改善すること」
でしたね。
でも、これはあくまで一般的な目的です。ですが、この目的のために労働組合を創ろうなんて、なかなかお尻が重たいですよね。組合の構成メンバーを集めようにも、「わたしはなんか怖いから遠慮します。」といった反応が聞かれそうですよね。
私は、労働組合の目的は、
会社の健全な存続の為に、労使お互いが緊張感を保つ
事が重要だと思っています。
強い安定した会社にするには、労使共に同じ方向を向いていないといけません。
経営者は支持してくれるお客さんや株主さんや社員たちの会社を守るために
労働者は自分の働く会社を守るために
目的を「会社を守るため」に一致させて協働できれば、それに勝るものはないと思われます。
労働者はその目的のために組合を創ることが重要です。
労働組合をつくるには?
労働組合をつくるには、ややこしい事はありません。
労働者が自主的に団結して結成すれば、自由につくれます。
まずは、社員同士で労働条件などについて会話することが重要でしょう。あまりいきなり「労働組合」というフレーズを持ちだされても、聞く側は引いてしまいますからね。
先ほどの目的のように、「会社と戦う!」というよりは、「良い会社にしたい!」という思いで進めていく事が大事かと思います。
また、あなたが勤める会社に労働組合がない場合で、でも労働組合に加入したい場合、ユニオン(合同労組)という1人でも入れる外部の労働組合があります。
あなたの代わりに外部の組合員さんが団体交渉をしてくれるわけです。気になる方は一度調べてみてください。
組合結成に際しての御法度や注意点
御法度というか、労働争議を起こす場合は、やはり覚悟がいります。
一旦争議を起こすと、もちろん会社側からは睨まれます。労働争議を理由に労働者に不利益を被るような事は法律で禁止されていますが、目に見えない形でのいやがらせは必至でしょう。
だからこそ、「許せない!」「会社と戦う!」といった理由から労働争議に至る場合は、やはりそれ相当の覚悟が必要です。
どこの会社でも、労働組合や労働争議に至る話は、こういったケースが多いのではないでしょうか。
理想論ですが、やはり、
会社の健全な存続の為に、労使お互いが緊張感を保つ
ために、早期に労働組合のような存在をつくっておくことが大切だと思います。
転職した職場で労働問題が勃発した場合?
労働組合がある場合
ことあるごとに労働問題があれば、組合に相談すればよいです。
労働組合がない場合
先ほども書きましたが、ユニオンなどの1人でも加入可能な外部の労働組合に入ることも可能です。
また、そもそも会社側が、労働基準法に違反している場合、労働基準監督署に相談すれば取り合ってくれます。あなたの会社にもあると思いますが、就業規則に書いている内容を会社側が違反している等は、完璧に法律違反になりますので、すぐに動いてくれます。
しかし、就業規則に明記されていない事柄に関しては、労働基準監督署は基本はノータッチです。あくまで労働基準法の範囲内で動いてくれますので。だから、賞与に関する規定が就業規則に載っていないのなら、会社側のさじ加減でいいようにされてしまいます。
自分一人でも出来ること
労働条件に納得がいかず、不満を募らせる事は誰しもある事でしょう。
しかし、何も知らずにうかつに行動をしてしまうのはクレバーじゃありませんし、痛い目に合うだけなのでしないほうが良いでしょう。
とりあえずは、知識を仕入れましょう。
・自分の会社の就業規則の内容は?
・労働基準監督署は何をしてくれる所?
・労働組合ってなに?
くらいは一人でしっかりと学んでから、行動に移しましょうね。
さいごに
私の経験上、介護・福祉の業界は、本当にブラックな施設が多いです。
本当に悲しく疲れ果てます。
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労働条件が悪く、労働者の権利を訴えようもんなら、
「ここにいる利用者(障害者や高齢者)がかわいそうだと思わないのか!?お前はそれでも福祉職員か!?」
と恫喝していくるような愚かな経営者もいました。
まさに奉仕精神の強制と搾取です。
時代錯誤甚だしい・・・このご時世に恐ろしすぎます。
こんな事が行われている限り、この業界に明るい未来はありません。
私は、過去に経験した労働争議の苦い経験から、その後の転職先では、組合まで話が発展する前に、「労働者としての話し合い」を隠密にするのではなく、経営者にも提案して行うようにしています。
別に労働者の権利ばかりを主張するような話し合いではなく、権利や義務など最低限の知識を誰もが身に付ける事が一つの目的でもあります。
もちろん、経営者さんからは、「出来ればそういうことは辞めて欲しい・・・。」という反応が返ってきます。気持ちはとてもよくわかるので無理やりな行動は起こしません。
静観し、その後労働環境が悪化するようなら、行動を起こすようなスタンスです。
あくまで、
会社の健全な存続の為に、労使お互いが緊張感を保つ
事を念頭に動いています。
どうか、この業界の未来のために、経営者とスタッフが本当に手を取り合って発展させていきたいと願っています。