労働環境が改善されない介護業界の3つの理由【人手不足の原因を深堀り】
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質問者
「ウチの事業所、またボーナスカットされたんですが、労働環境が改善されることはあるんですか?」

296
296「『ある!』とは言い切れないのが実情じゃな。」

あなたの介護事業所では、労働環境が改善された事はあるでしょうか?

若しくは、労働環境の改善に関する話し合いが持たれたことはあるでしょうか?

たぶん

「ないよ、そんなの・・・。」

といった人が多いのではないでしょうか。

この記事では、なぜ介護業界では労働環境が改善されないのか?の理由について解説していきます。

人手不足の一番大きな理由ですからね。

慢性的な人手不足に悩む介護リーダーさんや、施設経営者さんは是非ご覧になってくださいネ。

この記事で得られる情報

今後も介護業界の労働環境が改善されない理由

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労働環境が改善されない介護業界の3つの理由

介護や福祉の業界で、労働環境が改善されない理由として、以下の3つが上げられます。

①お人よし受け身労働者
②搾取大好き経営陣
③ゆるゆるガバナンス

これら3つの要素が巧く噛み合って、いつまでも労働環境が改善されない事業所は多いのではないかと私は踏んでいます。

以下の項目にて詳しく説明していきます。

 

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労働環境が改善されない介護業界の3つの理由①|『おひとよし受け身労働者』

労働環境が改善されない理由|おひとよしな労働者が多い

私が介護・福祉の業界に入ってビックリしたことは、良くも悪くも、おひとよしな人がとっても多いという事です。

奉仕精神のカタマリのような人も多いので、とっても素晴らしい事で感謝すべき事なんですけどね。

しかし、労働問題においては、職員のおひとよしが過ぎては、悪徳経営者をのさばらせてしまいます。

世の為によくないですよね。

労働環境が改善されない理由|労働者としての知識が少ない

社会人経験が少ないうちは仕方ありませんが、だいぶベテランになっても、労働者の権利を全く理解しておられない人もおられます。

職員どうしがお互いに

「有給とらないよね?」

「よね?」

「えぇえぇ~・・・。」

などと、有給をとらせないような暗黙のルールがあるような職場もあります。

(※現在は、法制化された部分もあるので、仕方なく改善されているようですが)

しかし、有給がとれないなんてのも、要は人員不足が原因で、職員に責任はないわけです。

事業所、つまり経営者の責任です。

トップの責任を職員が自分の権利を削ることによって賄うというおかしな構図が出来上がっているのです

それを文句も言わずにやっている人たちが多いのが介護・福祉の業界です。

労働環境が改善されない理由|権利を学ばない訴えない受け身な人が多い

労働の知識がないうえに、権利を主張しないのも特徴といえます。

これは、介護・福祉の経営者の皆さんのことを

経営者
「ラッキー⭐」

と言うべきなのでしょうか?

明らかに法的におかしい事をされていても、何もアクションせず、泣き寝入りする職員も多いのが介護・福祉業界です。

これでは、労働環境が良くなるわけがありませんよね。

労働環境が改善されない介護業界の3つの理由②|『搾取大好き経営陣』

労働環境が改善されない理由| 経営者マインドの基本

【特定処遇改善手当】の記事で書いたように、福祉業界は利益追求ができない性格の事業であるため、経営者は

経営者
「どこから搾取してやろうか?」

と常に考える癖がついています。

だから、

「介護の人手不足を補うために、まず介護士の低い給料をどうにかしないと!?」

という名目で施行された「介護職員処遇改善交付金」なども、そのお金をどう振り分けるかは、事業所の裁量に任されているため、

経営者
「しめしめ💖」

と思っている経営者は多いのです。

労働環境が改善されない理由| 経営者は職員の「奉仕精神が大好物💖」

福祉事業の経営者は、福祉の仕事をする人の奉仕精神を巧みに利用します。

福祉業界で働く人たちって、本当に奉仕精神が高い人が多いのです。

「え?これサービス残業だろ?」

と普通の人なら思うことでも、黙々とやっていたりします。

かたや経営者は

経営者
「私は残業の指示はしていない。職員たちが勝手に残っているだけだ。」

としか思っていない場合が多いのに。

労働環境が改善されない理由| 経営者は「搾取が大好き💖」

つまり、職員の奉仕精神を搾取するだけでなく、介護職員のために支給されているお金でさえも搾取してしまう悪党が福祉事業の経営者には多いのです。

そして本人たちは悪いことをしている自覚などないのです。

経営者
「だって法には触れていないぞ。何が悪い?これも経営のテクニックだ。」

などと言うようなイヤらしい考え方の人もいます。

汚い手口については、実際に多くの声を聴きます。

しかし、なぜ「人の福祉に寄与するための事業」において、こんなことが起きてしまうんでしょうか。

その理由を次項で書いていきます。

労働環境が改善されない介護業界の3つの理由③|『ゆるゆるガバナンス』

そして、最期にもっと大きなくくりでのガバナンスのお話です。

ガバナンスとは『統治』のことです。

大きな企業などは、株主などで企業を統治している仕組みがありますよね。

しかし、社会福祉法人などは、株主がいるわけではないので、要は経営者を厳しく管理する体制がないのです。

業績が悪くても、経営者は簡単に交替はさせられないのです。

「従業員」満足度が「顧客」満足度へ反映され、そして「顧客」満足度が「経営者」満足度に繋がるという事はよく知られている流れですよね。

しかし、社会福祉法人などは、株主の満足度を考えなくても良いという性格がある以上、顧客満足度の源泉でもある「従業員満足度」など考えなくても良いという甘えがきっとあります。

経営者
「従業員満足度などはいらん!福祉の人間は、奉仕精神を発揮して当然だ!」

などと思っている経営者もおられます。

ガバナンスの甘さから

経営者
「内部統制や従業員の満足度なども適当に考えてりゃいい。」

という考えの経営者が多いように思われます。

だから、福祉の経営陣の人たちは、何事も起きなければ、既得権益のポジションに安住できるので、「事なかれ主義」が本当に多いような感じがあります。

労働環境が改善されない日本がするべきことは?

日本という国の欠点は、

既得権益を守るシステムが崩せない

事に尽きると思います。

『処遇改善手当て』などがいい例です。

また、教育のあり方が見直されている昨今、私は

小学生から「法律」の学習を義務化するべき

だと思っています。

元大阪市長の橋下氏や、現在の吉村知事が、あれだけ強気でいられるのも、「この法治国家において法律に強い」

という鬼に金棒な装備である事は間違いない要因の一つと思われます。

世の中を良く変えていくためには、全国民が自分を守るための法律の知識を身に付けるべきだと思います。

労働環境が改善されない介護業界の3つの理由|まとめ

労働環境が改善されない介護業界の3つの理由として、以下の事柄に触れてきました。

①おひとよし受け身労働者
②搾取大好き経営陣
③ゆるゆるガバナンス

介護・福祉の業界では、これらの3要素がうまく噛み合ってしまっているように思えてなりません。

2025年問題を控え、本当に介護の担い手を増やしたいのであれば、処遇改善手当などの制度が、制度の本当の趣旨に合致するように、制度設計をきちんと見直すべきだと思われます。

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