吃音・どもりで自殺したくなる理由と脱却するためのポイント
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「吃音・どもりの人ってどうして自殺するほど苦しいんでしょうか?」

「吃音・どもりで自殺してしまう当事者の人の声が聴いてみたい」

吃音・どもりで自殺したくなる理由」という重いタイトルですみません。

しかし、ほとんどの吃音・どもりの方が「死にたくなるくらい辛い」思いをされてきたことは、ほぼ間違いないでしょう。

吃音・どもりの人は、喋りにつっかえはあるものの、五体は満足ですから、周囲の人たちから見れば、いたって普通の人に見えるわけです。

だから、吃音・どもりで自殺する人の心の奥底はわからないことでしょう。

この記事では、過去に吃音・どもりで自殺を考えていた当事者の私が、「吃音・どもりで自殺したくなる理由」について詳しく書いてみたいと思います。

また、自殺願望から脱却した方法についても触れます。

「吃音・どもりが辛くて自殺したい」と今まさに悩んでいる人や、「身近に吃音者がいて、その人のことを理解したい!」という人は是非参考にしてくださいネ。

この記事で得られる情報

✅吃音・どもりで自殺したくなる理由
✅自殺願望から脱却するためのポイント

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吃音・どもりで自殺したくなる理由とは?

吃音・どもりで自殺したくなる理由とは?

「吃音・どもりが理由で自殺だって!?」世間の人の反応は?

キャスター
「自殺の理由は、吃音・どもりが原因だったようで・・・」

たぶん、吃音者ではない人が聞くと、

「どうしてそんな程度のことで・・・。」

といった感想が多いのではないでしょうか。

まず、「世の中はこんな感想を持つ人が多い」ということが「吃音を理由に自殺したくなる人がいる」理由のひとつである、ということを理解することがスタートラインかと思われます。

吃音・どもりで自殺したくなる理由とは?

では、吃音・どもりで自殺したくなる理由を簡単に挙げると、以下のような要素になります。

✅自分のカラダに何が起こっているのかわからない恐怖

✅「自分の名前さえ言えなくなった」という喪失感や情けなさ

✅周囲の理解のなさと誹謗中傷や嘲笑の嵐

✅そして世界を閉ざし未来への絶望

もちろん生まれ育った環境は人それぞれ違うわけで、吃音者みんなが同じ思考をするわけではありません。

しかし、上記のような流れは大体の人がたどる道でしょう。

次項でそれぞれのステージを具体的に説明していきます。

ものごとの見え方の大いなる相違

「こんなカンタンなコトが言えなくなった・・・。」

という衝撃と、

「どんどん言えない言葉が増えている・・・。」

という積み重ねは、人から自尊心をどんどん奪い、心をむしばんでいきます。

そんな時に何の苦労も知らない人から

「どもる程度のそんな小さなことで・・・」

と心無い言葉を放たれたら、誰だって傷つきますよね?

今までは普通に言えていた「自分の名前」が言えなくなることが小さな事でしょうか?

別の表現で例えるなら、あなたが10代や20代の多感な年ごろだったとして、「おしっこを我慢する感覚が破壊されて、いつでもどこでも人前でおしっこを漏らしてしまう。」なんて異変がカラダに起きたら、どうでしょうか?

そして、次は大便まで・・・。なんてことになったら。

死にたい気持ちにもならないでしょうか?

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吃音・どもりで自殺したくなる理由~chapter①|自分のカラダに何が起こっているのかわからない恐怖

キャスター
「おぉ~っと、顔面にキレイにジャブが入ったー!」

ボクシングで言うと、こんな感じでしょうか。

何の問題もなく普通に暮らしていた人生の途中で、ふと不用意に顔面にジャブを食らい軽い脳震盪を起こしているような感じです。

これが、最初に吃音・どもりが自分のカラダを襲ってきて、わけがわからなくなっている状態です。

「あれ?なんで自分の名前が言えないんだ!?」

「あれ?電話で会社名だけが言えないぞ。なぜ?」

「あれ?言えない言葉が増えてきている感じがする・・・」

「オレ、何かに憑りつかれているのか??」

なんて錯乱状態にはいってしまうのです。

吃音・どもりで自殺したくなる理由~chapter②|「自分の名前さえ言えなくなった」という喪失感や情けなさ

「ジャブの次は右フックが入ったー!!」

ジャブをくらい頭がモヤモヤしている時に、綺麗にフックをもらってしまうような感じです。

吃音を意識しだすと、だんだんと言えない言葉などが定着してくるようになり、その言葉を何度も何度も練習したりします。

 

そして、その言葉は練習の効果もあって、脳裏に焼き付きます。

そして、余計に意識しだします。

そして、緊張します。

すると、余計な力が入って、なおさらどもるようになります。

これで、逃げられない負のループへと突入していきます。

「なぜ、こんなに練習しているのに、いざ話す時はどもるんだ!?」

「練習の時や独り言なら完璧に言えているのに・・・」

「オレはそんなにあがり症で緊張するタイプだったのか??」

「3歳の子供でも言えるような自分の名前が言えなくなるなんて・・・。」

「なんか、仕事でミスばかりしている周囲の人の方が、自分の名前を言えているだけでオレよりもすごいコトをしているように思える・・・。」

こんな悩みにさいなまれるようになることが想像されます。

そして、だんだんと仕事にも集中できなくなり、ミスを頻発する事も予想されます。

吃音・どもりで自殺したくなる理由~chapter③|周囲の理解のなさと誹謗中傷や嘲笑の嵐

キャスター
「おぉぉ~っとぉ~!アッパーまで入ったぁぁぁ~!!!これでダウンかぁ~!?」

という実況の声が聞こえてくるのが、この周囲の人間の理解のなさと誹謗中傷や嘲笑の嵐です。

まぁ~、とにかく酷いです。

私も吃音者になってから、それまで良好と思っていた人間関係のほとんどが一気に壊れましたね。

それだけ薄っぺらい関係だったという事を表しているだけなので、壊れてよかったと思いましたが。

とにかく、どもるとよく笑われます。

自らの意思で笑わせているのならいいのですけど、そうではなく、笑われているから傷つくのです。

片思いしている思春期の子たちなら尚更つらいでしょう。

好きな子の前で恥をかくのは誰でも嫌ですからね。

そして、仕事になると、迷惑がられたりもします。

不当な扱いを受ける場合も多分にあります。

このステージは、並みの精神力では耐えられないことが待っている場合が多いです。

私の痛すぎる思い出も記事にしていますが、ちょっと刺激が強いので吃音に悩みのどん底に今まさに立っている人は、元気な時に読んでくださいネ。

吃音・どもりで自殺したくなる理由~chapter④|そして世界を閉ざし未来を絶望する

キャスター
「おぉぉ~っとぉ!!とどめのストレートォ~!!ここでダウン~!!!」

といった心ない実況が聴こえてきます。

勇気を出して会社の先輩や上司に相談しようものなら、

「どもるくらいでナニ言ってんだよ、オレなんて(略)」

「オマエはすぐ緊張するからダメなんだよ。オレなんて(略)」

 

と自己満足げに励まし(?)を受けたと思ったら、いざ仕事の場面では、

 

「なぜそんな簡単なコトも喋れないんだ!」

「君が電話に出ると迷惑なんだよ!」

と怒られることもあります。

 

「い、い、い、いらっ、・・・い、い、いらっしゃ、・・・い、い、い、い、い、い、い、いらっしゃいませだって、なんで途中まで言ってるのに最初に戻るんだ、アハハハハハッツ♪」

と、いかにもバカそうな奴にバカにされたり。

 

無礼を働いてはいけない相手に電話をしても

「あっ・・・・・・・っ・・・・・・・・っ・・・(名前が言えない・・・)」

「はぁ?いたずら電話はやめてくださる!!?ガチャッ!!」

と切られたり・・・。

 

吃音者になったのは自分のせいでも何でもないのに、周囲から冷たい仕打ちを毎日受けるようになれば、そりゃ、死にたくもなりますよね。

だから、未来に絶望し、自分の世界を閉ざすのは仕方のないことであり、むしろ、吃音者にとって「逃げ」は必要なことだと思います。

死ぬよりはよっぽどマシです。

逃げる場所があるなら、全速力で逃げましょう!

困っている人の気持ちさえもおもんぱかれないような、カスみたいな脳ミソのバカどもに殺されていはいけません!

表現の悪い言葉を使いましたが、優しすぎる吃音者は、これくらいの気持ちでちょうど良いということです。

「吃音・どもりで自殺したい」思考から脱却するポイント

では、次は「吃音・どもりが苦しくて自殺したい」という願望から脱却するためのポイントを書いていきます。

「吃音で自殺したい」の思考から脱却するポイント

「吃音で自殺したい」という思考から脱却するポイントは、

あきらめること

です。

ただ、重要なのは、

悲観的にあきらめるのではなく

前向きにあきらめる

ということです。

脳ミソの中を一度白紙に戻し、整地して平らにするといった表現が良いでしょうか。

「もう人生どうなってもいいや!生きてりゃいいさ!」

と、今までの夢や希望をいったん全て前向きにあきらめると、先から光が見えてきます。

「自分に出来ることを探そう!」

と脳は暗闇の中に一筋の光を探し始めます。

これまでは光が多すぎて大切なものが見えなかっただけなのです。

吃音者は「90歳になっても出来ないこと」をやってのけている!?

私は介護士という現在の仕事柄、かなりご高齢のお年寄りに毎日のように接する機会があります。

そこで聴くお年寄りの声というものは、

「何も出来んようになってしまって、情けなくて、はよぉ死にたいのぉ。」

といった事です。

90歳を超える人生の大先輩でも、人は自分の衰えを受け入れるのは困難なのです。

自分ときちんと向き合って、今の自分を受け入れて、残されている能力に感謝しながら生きることは、とっても難しいことなのです。

そんな難しいことを若いうちからやっている吃音者のあなたって、とってもスゴイ人だと思いませんか?

私は、吃音者は生きているだけで奇跡なんじゃないかと思っています。

自分が吃音によって、この上ない苦しみを味わったからこそ言えます。

こんな苦しみを自分よりも若くて幼い子供たちがくぐりぬけているって、もう尊敬の念しかありません。

見た目は子供でも、魂はそこらの大人たちよりはよっぽど磨かれていますからね。

吃音での自殺を回避するための「前向きにあきらめる」とは?

私自身は、吃音に苦しんで毎日自殺のコトばかり考えていた頃、それまで脳にコビリついていた「当たり前の欲望」を一旦捨て去りました。

「オレはもう普通の人と同じ人生は歩めない。」

「人生あきらめよう。」

「今日からは障害者として生きていこう。」(←障害者手帳をもらおうという意味です)

「何もできなくてもいいや。」

「親には悪いけど、ろくに仕事にも就けず、結婚もできず、孫の顔も見せてやれないけど、親より先に死ぬよりマシだろう。」

私は、吃音の悩みのどん底にいた頃、職も失い、また親の世話にならないと生きていけなくなり家族からも嘲笑され、みじめさの絶頂にあって、

「死にたい、死にたい・・・。」

「でも、死ぬのが怖い・・・。」

と、普通に社会生活をすることも出来ず引きこもり・・・死ぬことも出来ず・・・独りぼっちでただ涙を流してばかりの毎日で涙も枯れ果てた頃、このように

「前向きにあきらめる」

という思考にに至りました。

そこから私の第二の人生が始まったのです。

吃音・どもりで自殺したくなる理由と脱却するためのポイント|まとめ

吃音で自殺したくなる理由と脱却するためのポイントについて書いてきましたが、いかがだったでしょうか。

吃音で自殺したくなる理由は

✅自分のカラダに何が起こっているのかわからない恐怖

✅「自分の名前さえ言えなくなった」という喪失感や情けなさ

✅周囲の理解のなさと誹謗中傷や嘲笑の嵐

✅そして世界を閉ざし未来への絶望

のような所に結局収束するのではないかと思います。

 

私自身、先述してきたような経緯をたどってきました。

いっぱしの大人となった今となっては、当時生活を支えてくれた親が存在していなかったら、間違いなく私は死を選んでいたと思います。

それほどに吃音というものは、私の人生を180度変えてしまうほどのパンチを食らわしてくれました。

しかし、今はかなり幸せに生きており、自殺願望なんてこれっぽっちもありません。

だから、今現在、過去の私のように毎日

「死にたい、死にたい。」

と嘆いている人に知っておいて欲しいのは、

吃音は確かに苦しいが、未来は絶望ではない

という事です。

私のように、「生きている幸せ」を感じながら人生を謳歌されている人はたくさんおられるはずです。

だから、他人は変えられませんが、

自分は必ず変われる!

ということは信じていてくださいね!

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