
就職先の選択は、本当に吃音者を悩ませますよね。


などと普通の人では考えないことも考えてしまったり。
吃音者の職探しは本当に大変です。
この記事では、吃音者の私が「本当に介護や福祉の仕事に就いて良かったなぁ。」と思える理由について書いていきます。
目次
介護の仕事をすると、吃音に対する悩みが減る!?
吃音者にとっての介護職の醍醐味
介護や福祉の世界の醍醐味って何かご存知でしょうか?
もちろん個人差はありますが、私にとっての「介護職の醍醐味」の代表格は
「他人のすさまじい人生にたくさん触れることが出来る」
ことに尽きます。
自分よりはるかに重い障害があっても強く明るく生きる人に触れ合える
こんな財産はなかなかありません。
介護職は人生観を変える!?
ひきこもっていたりして、社会のことをあまり知らないうちは、

と頭では理解していても、どうしても

なんて思ってしまいますよね。
若いころの私もひきこもり経験がありましたから、今まさに苦しんでいる最中の人も心配しないでね。
でも、介護や福祉の世界で働くようになってからは、この考え方が自然と溶かされていきました。
「明らかに自分より重い障害を持つ人の強く生きる様をリアルに肌で体感する」経験は本当に人生観を変えてくれます。
吃音の相対的悩みの低下
そして、
「明らかに自分より重い障害を持つ人の強く生きる様をリアルに体感する」
と、自分の中で一番の悩みであった「吃音」の悩みが相対的に徐々に下がっていくのです。

と頭では理解できると思います。
私も頭ではわかっていました。
しかし、人間という生き物は、やはり自分の五感や第六感を使って感じないことには、自分の頭にインストールされた考え方などは変わりません。
私は介護・福祉の仕事をする中で、様々な人のすさまじい人生を目の当たりにして触れ合うことにより、自分の中に変革を起こすことが出来たと確信しています。
どういうことかと言うと、
「自分の中で最優先問題事項だった「吃音」の順位が、どんどん下がり、そして、本当の意味で「自分の人生を大事にする」ということが最優先に上がってきた」
ということです。
吃音が仕事上で武器になる!?
この内容は、【関連記事:吃音者の『予期不安』が仕事上で武器になる!?その理由とは?】で詳しく書いていますので、是非ご覧になって下さいね。
ここでは簡単に書きますが、世の中の物事全て両面を持ち合わせているということです。
どういうことかと言うと、
吃音者に特有の
「予期不安」
は
「未来を予測して不安になる」ということですよね、。
つまり
「リスク対策スキル」
になるということです。
人の評価に限って書きますと、
・気が弱い ☞ 人を思いやれる
・すぐ行動しない ☞ 慎重だ
といったような、人の価値とは一面的ではないというアレです。
世の中、


とやかましい時代です。
今後の時代も、もっとその風潮は加速していくでしょう。
企業では、予期不安スキルは本当にリスク対策に重宝します。
話し方の矯正ができる?
介護の仕事をしている人って、大きな声の人が多いです。
なぜかと言うと、
「多くの耳が遠いお年寄りとコミュニケーションをとる」
ことが必須なので、必然的に声が大きくなるのです(;^ω^)
これは吃音者にとってはとっても良い効果があります。
私も自然とお腹の底から大きな声が出ている時は、どもりにくいです。
カラオケなどで気持ちよく歌を歌っている時も同じだと思います。
お腹の底から大きな声を出して喋っている時は、本当に気持ちがいいです。
自然と大きな声でゆっくり話す癖もついてきます。
私は、高齢者などの利用者さんと話すときはほとんど吃音が出ません。
しかし、ふと職員と話すときは急に喋りモードが切り替わりよくどもります(;^ω^)
この自分の中の喋りモードの自動切り替わりが吃音のやっかいなところなのですよね(;^ω^)
でも、介護の本分は
「高齢者などの利用者さんと接すること」
です。
大きな声でハツラツと喋って本職が出来るって、とっても「今を生きてる」って感じがしますよ♪
介護の仕事では吃音者特有の「歌や演技だとどもらない」を利用出来る
吃音者がどもらない時とは?
吃音者は
「演技している時はどもらない」
というのは、吃音者ならたぶん誰もが知っている知識ですよね。
その理由は、その瞬間は自分から離れているからです。
吃音というものを分析してみると、
吃音者は
「相手に自分自身の喋り言葉で伝える」時にどもる
ことがわかります。
だから、その作用を利用して枠から外れれば良いというわけです。
例えば、学校の国語の本読みなどでも

などといった表現があったとしたら、チョコレートプラネットばりに、

なんて大きな声で読んだら、たぶん誰もどもらないでしょう(;^ω^)
認知症対応の極意は吃音者にもってこい?
【関連記事:認知症者の対応方法の極意!?介護でイライラ・虐待しない為の方法とは?】の記事で詳しく書いていますので、よければご覧くださいね。
認知症の人の対応の極意は、
「真っ向勝負をしない」
ということです。
誤解のないように説明しますが、ここでの「真っ向勝負」とは、
認知症のある「高齢者」に対してではなく、認知症という「病気」に真っ向勝負するという意味ですからね。
認知症があり、不安な気持ちになっている高齢者の気持ちには寄り添う必要があります。これはとっても大事です。
気持ちに寄り添ったうえで、架空の話でもして、不安を遠ざけてあげるのです。
ここで、吃音者が得意な、
「演技だとどもらない」
がとても活用できます。
認知症対応で必須の演じるスキル
認知症対応では、「演じるスキル」が本当に重要になってきます。
理由は【関連記事:認知症者の対応方法の極意!?介護でイライラ・虐待しない為の方法とは?】の記事に詳しく書いていますので、是非ご覧くださいね。
そして、この「演じる」という行為は、吃音者にとっては、吃音が出にくいのでしたね。
私もまさしく、認知症の方の対応では、この演技を多用しているわけですが、本当に吃音が出ずに楽しく対応出来ています。
今、この記事を書いていて思いましたが、
「認知症とは真っ向勝負してはいけない」
という極意は、吃音の対処法と共通しているかもしれませんね。
吃音の克服の極意も
「吃音に真っ向勝負を挑んではいけない」
ですからね。
病は気から~人は動きながらネガティブになれない?
よく言われることではありますが、

などとはあなたも聞いたことがあると思います。
これは運動後の体の変化の効果もあるのですが、運動中にも言えることなんです。
人間て
「笑いながら悲しめない」
「笑いながら怒れない」
(※竹中直人さんは特別です(笑))
そういった動物なのですよね。
だから、常に頭の中を悲観的な悩みがグルグルとループしてしまう吃音者にとっては、身体を動かす事がとっても大事だと理解できると思います。
介護職は、施設によっても労働の内容は変わりますが、特に特養(特別養護老人ホーム)などの施設では、本当に動きっぱなしの一日なので、吃音者にはとってもいいと思いますよ。
仕事での拘束時間もあっという間に過ぎますしね♪

とビクビクするような仕事よりは、よっぽど健全だと思います。
まとめ
私はまだ福祉や介護の業界に入る前、

と、とても後悔していました。
しかし、そんな「喋らなくていい仕事」に就いていたらまず得ることのできなかった経験がたくさん介護・福祉の世界にはありました。
介護職は決してお給料は高くありませんし、楽ではありません。
よく世間的に言われるように、「3K」の現場が多いです。
しかし、自然と心身ともに健康になり、「吃音」克服のマインドも学べて、そしてお金も貰えるなんて、吃音者にとってはいいことづくめだと思いませんか?
現在の介護業界はまだまだ人手不足が続いています。猫の手も借りたいところがほとんどです。
「吃音で働けない」と頑なになって悩んでるなら、是非チャレンジしてみて下さいね。