高齢者介護の自立支援の闇!?適切なあり方やデメリットは?
スポンサーリンク

日本の高齢者介護を取り巻く問題に、「自立支援」というものがあります。

字のとおりですが、「自立を支援する」という意味です。

耳障りはいい「自立支援」ですが、問題がないわでではもちろんありません。

この記事では、この日本社会において「自立支援」というものが抱える闇について書いてみたいと思います。

スポンサーリンク

日本における自立支援とは?

自立支援の定義とは?

「自立支援」=「人の自立を支援する」

ということですね。

人間が一旦出来なくなったことを再び出来るように支援するわけですから、その機能が回復すればそれは素晴らしいことです。

回復された方は、自分で出来る範囲が増え自尊心も保てるかもしれません。

日本における自立支援とは?

「人が一度失った機能を再び取り戻し自立した生活を・・・。」

なんて聞いたら聞こえはいいですよね。

高齢者以外は、反対する人はあまりいないと思います。

しかし、日本において自立支援が叫ばれだしたそもそもが、

国に財源(お金)がない!

ことに端を発しています。

正確には「社会保障費にこれ以上予算を回せない」といったところでしょうか。

施設や病院のお世話になる人を減らし、医療費や介護費の逼迫を防ぐわけです。

つまり、国がwin-winを狙っているわけですね。

日本の高齢者福祉の今後とは?

もちろん、国の財源問題だけで「おい、国民、なんとかしろ!」なんて言えません。

「住み慣れた地域で暮らし、出来れば家で死にたい。」

 

といったニーズを表面上だけでとらえて、

「施設から在宅へ!」

などと叫び出したのでしょう。

「その為には自立支援だ!」

と。

その真意は

「これでwin-win だろ?(笑)」

という思いがあるのです。

スポンサーリンク

自立支援が本当に幸せなのか?

具体的な自立支援の取り組みとは?

「自立支援」の具体的な取り組みとは、

「オムツを外してトイレで排泄しよう」
「自分の脚で歩こう!」
「自分の歯で噛んで食べよう!」
「水をもっと飲んで認知症を治そう!」
「そして、家に帰ろう!」

といった事を推進する取り組みです。

こう聴くと、響きだけははいいですよね。

介護士さんならわかると思いますが、「言うは易し、行うは超難し」ですね。

「自立支援」に対する実際の利用者(高齢者)の反応は?

過去に竹内孝仁医師が推奨する「水、メシ、クソ、運動」という自立支援の取り組みをしている研修に参加したことがあります。

この先生は

「認知症は水(水分摂取)で治る」

と言い切る先生です。

理論としては学ぶべきことが多く、介護士はみな知っておくべき内容だと思うのです。

しかし、現実問題として、

「お年寄りがかわいそぉう~・・・。」

と思ってしまうのが正直なところです。

100歳前後の人にまで「自立支援?」

この「自立支援」の取り組みを実際にやっていくと、90歳を超えるような歩くこともままならない高齢者に、

「もっとお茶飲んでくださいよ!」
「トイレで排泄するんですよ!」

と何度も言うことになります。そして、

「もうやめてくれ・・・」

と悲痛な叫びがやはり聞こえてきます。

「拷問か?虐待か?」

と思うこともありました。

「これで介護職を辞めていく人も多いのではないか?」

と思ったりもしました。

「自立支援」と「施設から在宅へ」が進むことのデメリットとは?

「自立支援」の前に、まずは介護業界の現状を把握すべし

まず、私たち国民全員が考えないといけないのは、

「足腰は元気だけど認知症状が強い」という高齢者に介護者は一番手を焼く現実があるのに、その高齢者の要介護度は低いといった現状です。

要介護であったり認知症の親を抱える家族様の中には、

「もう(親を)歩かせないで欲しい。元気にさせないで欲しい。」

という悲痛な思いを持っていらっしゃる方も多いのが現実です。

理想論ばかり追いかけていては、先に日本が破綻するのでは?とさえ思ってしまいます。

「家族のことは家族の責任」

の社会風潮があるこの国では、この家族の言い分は正しいと私は思います。

高齢者の自立が本当に進むと、どんな社会が待っている?

2025年問題と言われていた時代はもうそこまで来ています。

「日本には認知症難民が溢れ出す!?」

なんて揶揄されることも言われています。

私もそう思っています。このまま2025年を迎えることが恐怖でしかありません。

「認知症者が街に溢れ出す」

といった問題をもっと真摯に考えないで、自立を促していくことの恐ろしさはホワイトカラーの人たちには理解できないのでしょうね。

「認知症」の受け入れ社会基盤が整備されないとどんなデメリットが?

「認知症高齢者の自動車事故で、また児童が被害者に!?」
「認知症の親を家で面倒見ていた息子が、親を殺害!?」
「認知症の高齢者が徘徊し電車に跳ねられ死亡、家族に多額の損害賠償命令!?」

今後、もっとこんなニュースが飛び交うのは目に見えています。

結局は国民一人一人に対する責任だけが膨らみ、日本社会の崩壊を招くでしょう。

「家族のことは家族の責任」

といった国民性を育ててきた日本という国が、

「施設から在宅へ!」

といった方針を強く進めだしたら、近い未来に上記のような地獄絵図がそこかしこで見られることになるでしょうね。

さいごに

日本の政治はどんどん「大きな政府」から「小さな政府」へと移行していっています。

つまり、「認知症高齢者の面倒は家族や地域で見るように」という流れになっていくことでしょう。

日本には、昔ながらの「家族のことは家族で!」といった国民性があるからこそ、介護殺人という社会問題も生んでしまっているのです。

しかし、日本という国が、この国民性に乗っかり「施設から在宅へ!」という方針を進めてしまったら、尚更大きな社会問題を生むだけのことです。

介護離職や介護殺人などの問題は収束することはないでしょう。

認知症者や高齢者の面倒を国が見る「大きな政府」の北欧とは日本は決定的に違います。

「大きな政府」あってこその「施設から在宅へ」です

まずは、社会基盤の整備を最優先事項として取り組んで頂きたいものですね。

 

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事