
健康寿命と平均寿命の違いを聞かれ、的確に答えられるでしょうか?
平均寿命はずいぶん古くから耳馴染みがあると思いますが、『健康寿命』の方は、最近チラホラと耳にするようになってきた感がありますよね。
しかし、もう介護時代にドップリと片足を踏み込んでしまった日本においては、全国民がこの【健康寿命と平均寿命の違い】はしっかりと把握しておいたほうが良いでしょう。
この記事では、【健康寿命と平均寿命の違い】をしっかり理解しておくべき理由を、リアルな介護現場目線でご説明します。
この記事で得られる情報
目次
【健康寿命と平均寿命の違い】とは?
平均寿命とは?健康寿命とは?その違いは?
平均寿命とは?
平均寿命は、これまでの人生で何度も耳にされたことがあると思いますが、
0歳の時点での、平均余命
のことです。
という余命を、0歳地点から見たやつですね。
健康寿命とは?
対して、健康寿命ですが、
健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間
のことです。
日本は医療技術の進歩などの恩恵で、年々長寿国になり、皮肉なことにだんだんと国民の長生きに対する価値観も変わってきています。
だから、最近になって取り上げられるようになってきた意味がわかりますよね。
健康寿命と平均寿命の最新データは?
以下のグラフは内閣府が出している「健康寿命と平均寿命の推移」です。
出典:内閣府
このグラフを見ると、
なんて、つい思ってしまわないでしょうか?
健康寿命と平均寿命で問題となっているのは?
「健康寿命と平均寿命の推移」のグラフを見て頂きましたが、ここに大きな問題が潜んでいます。
平均寿命は医療や福祉の充実で、自分の努力とは関係なしに、かなり「長生きできる?」可能性は極めて高いです。
しかし、あなた自身が
✅いつ認知症になるか?若年性認知症になることだってあり得る
という事を念頭に置いておく必要があります。
あなたがもし仮に、以下のような状態になったとしましょう。
✅後遺症でカラダの大きな麻痺が残り言語障害でほぼ喋れない
✅いきなりオムツ状態
✅介護の手を借りないとほとんどナニも出来ない状態
✅でも、思考回路や価値観などは今までと同じ
そして、人生100年時代です。
100歳まで生きてしまう可能性があります。
100歳まで生かされてしまう可能性があります。
あと何年でしょうか?
40年です。
若いころの40年ではありません。
自由を奪われた40年です。想像しただけで地獄です。
あなたは40年も無念なまま生き続けられますか?
そんな人は、介護現場の利用者さんでた~っくさんおられます。
口々に
と言われるのがうなずけます。
【健康寿命と平均寿命の違い】の理解が全国民に必須である3つの理由
【健康寿命と平均寿命の違い】を理解する必要性|100歳まで「生かされてしまう」という現実がある
先述したように、人間は自分のカラダが不自由になると、
の価値観から、
の価値観へと一気に変わってしまう可能性が大きいのです。
しかし、日本という国は容赦しませんし許してくれません。
長寿国になってしまったのだから、
となるわけですね。
【健康寿命と平均寿命の違い】を理解する必要性|年金の受給が70歳から!?
年金って過去は60歳からもらえていましたよね?
その受給年齢が段階的に引き上げられ、現在では、65歳からとなっています。
繰り上げ受給や繰り下げ受給で特例はありますが、もちろんその分の上乗せや減額はあります。
この年金も私たち現役世代が高齢者になる頃、
という保障はどこにもないわけです。
近い未来、年金受給開始年齢は、70歳からになっているかもしれないし、ひょっとしたらそれ以上かもしれません。
【健康寿命と平均寿命の違い】を理解する必要性|介護業界の現状を知る
などと言う方も多くおられるでしょう。
しかし、介護業界が超人手不足であることをご存知でしょうか。
働く人手がいないともちろん施設の運営も出来ないのです。
特養などの老人ホームなどでは、何百人という入所待ちの待機者がおられたりします。
今後、その問題がもっとひどくなる可能性があるわけです。
だから、
などと言っても、行く場所がない可能性が高いわけです。
結局家族や周囲の人に大迷惑をかけてしまう事になるのです。
【健康寿命と平均寿命の違い】にプロの介護士はどうフォーカスすべきか?
ここからは、介護士さん向けにこの健康寿命と平均寿命の問題に、どうフォーカスしていくべきかについて書いていきます。
私は、「平均寿命ー健康寿命」の差のことを、勝手に『無念期間』と名付けています。
これまでの話を読んで頂けたなら納得できると思いますが、まさに
ですよね。
介護士はこの無念期間をデキるだけ短くする支援が真骨頂とも言えるわけです。
健康寿命と平均寿命の差を縮める予防~その①
まず、生活のほとんどを自力で出来る人に対しては、やはりその能力を落とさないように、計画的に支援する事が大切です。
廃用症候群に関する記事でも書いていますが、人間が健康でいるためには、とにかく
「頭とカラダを動かすこと」
が大切です。
と日頃からよく観察しておくことが大切です。
健康寿命と平均寿命の差を縮める予防~その②
次に、脳卒中などにより、何かしらのカラダの機能を損傷してしまった場合も次のような支援が大切です。
✅今使える能力を極限まで使う介助
✅とにかくカラダを使う機会を奪わない
✅気持ちへの寄り添い
未熟な介護士さんでありがちなのが、目の前の人の「使える能力」を考えずに、全てを介助してしまうパターンです。
それで腰を痛めるている介護士さんは愚の骨頂ですよね?
また、
とよく言われたりするのも、この状態にある人たちです。
こういった人生の先輩の気持ちに寄り添う為には、「死生観」について学んでおく必要がありますね。
健康寿命と平均寿命の差(無念期間)の価値転換
と思いながら何年も何十年も生きなければいけないなんて、地獄ですよね。
そんな無念期間に少しでも潤いを与えることがデキるのも介護士の仕事の真骨頂です。
例え生きている事の価値の転換までは出来なくても、
と考えながら日々介護する中で、たとえ少しの笑顔でも引き出す事がデキたならそれだけで素晴らしい事だと思います。
【健康寿命と平均寿命の違い】の理解が今後の介護時代で必須な理由|まとめ
【健康寿命と平均寿命の違い】の理解が今後の介護時代で、全国民に必須な理由についてご理解頂けたでしょうか?
今、クローズアップされている「健康寿命」というやつは、
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」
です。
この健康寿命を自助努力で伸ばさないことには、先に書いたように、
✅後遺症でカラダの大きな麻痺が残り言語障害でほぼ喋れない
✅いきなりオムツ状態
✅介護の手を借りないとほとんどナニも出来ない状態
✅でも、思考回路や価値観などは今までと同じ
の状態のまま、
100歳まで生かされてしまう可能性がある
という事です。
まずは理解することが大事です。
一緒に自助努力し、良き「人生100年時代」を送りましょう!