介護業界の「3K」リアルが知りたい?現場の介護士が詳しく教えます!
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介護業界は「3K」とよく言われます。でも、実際に「3K」の職場かどうかなんて働いてみないとわかりませんよね。

その人にとっては「天国」のように思える職場でも、別の人にとっては「地獄」の場合もよくあります。

この記事では、数々の福祉施設で働いてきた私の目に映る介護業界の「3K」を、出来るだけ客観的に書いてみたいと思います。

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介護業界で言われる「3K」とは?

介護の仕事は、古くから「3K」と言われてきました。

3K」はご存知の方のほうが多いと思いますが、全く初めて触れるかたの為にも解説していきます。

「3K」の仕事って何なのか?

通常「3K」とは以下の事柄を指します。

「3K」とは?
❶きつい
❷きたない
❸危険

こうやって聞くだけでもこんな仕事したくないですよね。

命の危険があるボディガードみたいな仕事をしないといけないのか?なんて思ってしまいます。

介護業界での「3K」とは何なのか?

そして、介護業界の「3K」では少し変化が加わり、

介護業界の「3K」とは?
❶きつい
❷きたない
❸給料安い

と言われているのが現状です。

「え?それに付け加えて給料が安いのかよっ!?」
「何のためにキツイ仕事してるんだ!?」

なんて思ってしまいますよね。

介護業界は「3K」と言われているのに評価が低い?

介護業界の「3K」として挙げましたが、この「給料の安さ」が一番のネックとなっているため、現在、国から「処遇改善手当」というものが介護職員に支払われるようになりました。

それでもまだまだ全産業の平均までに達していない事業所も多いです。

そもそも、このお金の問題ですが、なぜ給料が安いのかというと、

「社会」の「介護」に対する評価が低い

ことに尽きます。

なぜ社会で「3K」とされている介護の仕事が評価が低いのでしょうね。

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介護業界の「3K」リアルとは?

では、ここから現場の介護士にしか伝えられない介護現場における「3K」リアルを書いていきたいと思います。

❶「3K」の「きつい」編

人員不足

既に社会問題ですが、介護業界は慢性的な人手不足です。私の勤める職場も、ここ56年は常に定数の職員がいたことがありません。

平均すると、常に職員がマイナス35人の状態です。

1ヵ月で計算すると、単純計算で100人分くらいの労働力が少ないわけですから、周囲の人への負担は大きいですよね。

動きっぱなしの一日

介護現場は事業所にもよりますが、特養などの大勢の利用者が入所されている老人ホームであれば、職員は常に動き回っている事が多いです。

1日の運動量がハンパない時があります。

変動勤務

ご存知のように、介護には「夜勤」や「早番」・「遅番」などの勤務形態が色々とあり、勤務時間が常に変動するので、規則正しい生活でないと体調が悪くなる方は、それを理由に辞めていかれます。

事故の防止

介護士が現場で一番神経を使うポイントは「事故」の防止です。

とにかく足元が覚束ない高齢者が歩こう歩こうとして転倒されるなんて日常茶飯事ですからね。

高齢者の転倒はすぐ骨折に繋がりますので、本当に神経をすり減らします。

モンスターファミリー

人の命を預かる仕事ですから、クレームもやはり多いのがこの業界です。

時々、介護に対して偏見を持たれている家族様もやはりいらっしゃいます。

その利用者さんの認知症の度合いが強く、職員の数も限られている中で、常に付き添うなんて物理的に絶対無理なんですよね。

そして、その利用者が独りで歩いて転倒してケガをした。病院に行った。などとなると、

「なんできちんと介護しないんだ!?治療費払え!」

などと言われる方も中にはおられます。

休暇がとれない

→関連記事:介護の仕事を辞めたくなる理由【休日・休暇についての巻】にて詳しく書いていますが、この休暇に関しては私も大問題だと思っています。

いつもお盆や正月になると私は憂鬱になります。その理由をどうぞご覧ください。☞

❷「3K」の「きたない」編

次に「3K」の二つ目「きたない」ですが、介護の仕事を想像したら簡単に想像はつくと思いますが、何点か挙げていきます。

排泄の介助

いわずもがな高齢者の下の世話ですね。おしっこの失禁や大便の失禁の処理は日常茶飯事ですね。

慣れれば何ともない仕事内容なのですが、たまに入社早々に

「臭いが耐えられないんです・・・」

と言って辞めて行かれる方もいらっしゃいます。

お風呂の介助

特養などでは、高齢者を次々と同じお風呂に入れていきます。

そして、そのお湯に自分の腕や脚も浸けて介助することも多いです。

皮膚が敏感な方は、それだけで皮膚がかゆくなる方もおられます。

嘔吐物の処理

結構、嘔吐の処理は当たります。高齢者ですから私たちと違って、身体や内臓の機能も低下していますし、病気にもかかりやすいです。

ノロウイルスに感染している人の吐物処理なんか当たった日にゃ覚悟を決めなければいけません。

体臭

高齢者の中にはすごい体臭を放つ方もいらっしゃいます。

慣れてくると、便の臭いなどよりも、体臭や口臭などの方がキツイのではないかと思います。

臭いに敏感な人はなかなかやられると思います。

問題行動

介護業界には「問題行動」と呼ばれる利用者の行動があります。

別に害意があってやっているわけではない事が大半なので、「問題行動」なんて言い方をしたら失礼なんですが、便宜上そう呼んでいます。

例えば、「便を触る」、「便を食べる」、「机の引き出しにおしっこをする」、などが見られる時があります。

❸「3K」の「給料安い」編

いつでも、求人広告を賑わせている介護業界ですが、介護職に関する求人広告を見たことありますか?

「介護福祉士、20万円から」

などと書いてあって、

「20万円か~、まぁそこそこ貰えるほうかな~。」

なんて思っていたら大間違いです。

なぜかと言えば、ほとんどの施設が、

求人広告の「給与」のカラクリ
20万円=
「基本給 + 夜勤手当(約月5回分) + 資格手当 + 処遇改善手当」

などといった手当が込み込みで書いてある場合が多いのです。

「じゃ・・・基本給っていくらよ・・・?」

って思いますよね。

 

介護業界リアルand more・・・とは?

ここまで、介護業界のリアルを「3K」を基準として書いてきました。

しかし、他にも世間的にあまり言われていない介護業界リアルというものはあります。

私が何か所も福祉事業所を渡り歩いてきた経験を元に、介護業界リアルを書いていきます

とにかく「規制」ラッシュ!?

この業界は「福祉」業界です。いわずもがな社会的に弱い立場の人を支援する仕事です。

だから、と~ってもイメージが大切です。

何も介護の事を知らない人から、当たり前のように

「事故させるな!」

「虐待するな!」

「身体拘束するな!」

と言われます。もちろん虐待は絶対にあってはならない事です。

しかし、

「え?それ虐待か?」

と思われるものまで規制がかけられてきます。

負のイメージ

つい最近も看護師による「虐待」が報道されていましたが、やはりニュースキャスターは言っていました。

医療や福祉を志す人間が何をやっているんだ!?」

と。

この赤字の前半の部分がポイントですよね。

なにか犯罪めいた事件が起きた時、私たちのような福祉の業界で働く人間は、以下のように報道マンの絶交のカモになります。

「福祉の仕事をしているのに!?何やっているんだ!?」

と、善人イメージを売っている報道マンにとっては、このセリフを吐く瞬間はさぞ快感でしょうね。

私はその前に警察の不祥事をもっと裁くべきだと思いますが・・・。

そして、2025年以降に介護時代が訪れ、もし認知症老人が街に溢れかえったら、

「それは虐待だ!拘束だ!非人道的だ!」

と街中のそこかしこで国民同士が言い合うのでしょうか?

介護士いじめ?

その職場によりますが、「介護」部門の立場が決定的に弱い職場もあります。

この日本は「医療」の立場が強い特性があります。

👇これです

だから、看護師の中には

「介護士の分際で」
「こんな仕事は介護がやればいい」

といったような見下した目で見られる方も結構多いです。

医療や福祉の人間なら、相手を職業ではなく、一人の人間として見て欲しいですよね

あれ?報道マンと同じこと言ってる??(笑)

ガバナンス(統治)の弱さ

先の看護師による虐待事件でもそうですが、この業界はガバナンス(統治)が弱い傾向にあると思われます。

だから、ありえないような仕事の怠慢や事件がまかり通ってしまっています。

そして、幹部は現場のことに無関心

事件があってから幹部のスポークスマンが記者会見にて

「私は何も聞いておりませんでした。」

となるオチですね。

モラルやリテラシーの低さ

介護業界は先に触れましたように、慢性的な人手不足です。

だから、敷居をどんどん低くし、本当の意味での「猫の手も借りたい」状態になっています。

だから、モラルの低い人やリテラシーの低い人を呼び込みやすい環境でもあります。

それが「虐待」問題に繋がっている可能性も否めません

こんな事情により、施設によっては、真面目な人ばかりがどんどん辞めていき、モラルやリテラシーが低い人だけが残っていくという構図の所もあると思います。

まとめ

色々と介護業界のリアルを書いてきましたが、決して介護業界や介護の仕事を非難したいわけではありません。

現在も介護の仕事をしていますし、私は介護の仕事が大好きです。たぶん、介護士さんの中でもかなり上位に入るくらいこの仕事は好きです。

だからこそ、今の現状をリアルに知ってもらいたくて書いてきました。

臭い物蓋をし、ウソをつくことは、自分を裏切ることになります。

介護業界や事業所をよりよい環境にしていくには、まずはしっかりと目を背けることなく、現状を理解することからだと私は思っています。

 

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